2017年1月21日土曜日

原点

Revitの原点


Revitでは座標を意識する必要は全くありませんが、それでもどこに原点があるのかは気にはなるところです。ダイナモを使って、原点を探ってみます。

(1) 建築テンプレートで新規にプロジェクトを作成し、ダイナモを起動します。
(2) ダイナモで新規作成し、Point.ByCoordinatesを配置します。
Point.ByCCoordinatesを追加
この時点でRevitのプロジェクトを見ると、画面上に青い点が表示されています。これが座標(0,0,0)の点です。
立面図
平面図
この青い点の位置が「プロジェクト内部の原点」です。この位置は変更することは当然ながらできません。

任意のポイントを原点として出力するには?

しかし、DWG/DXF/NWCなど、外部とデータを交換する場合は、たとえば1FLのX1とY1の交点を原点としてデータを作成したいことはあるでしょう。その場合は、任意のポイントを出力原点に指定することができます。プロジェクト基準点と測量点の設定が重要です。

下の図のように、真北が回転しいるプロジェクトの、「1FLのX1-Y1の交点」としてDWGデータを作成してみます。
真北が回転している

これを普通にDWG出力して、UCSICONを表示すると以下の図のようになり、原点は中央あたりにあります。
原点の位置を変更したい
この出力原点を変更してみます。

出力用のサイト(外構)を登録する


(1) [管理タブ]-[プロジェクトの位置パネル]-[位置]で外構タブをクリック。
(2) [複製]を押して、「出力用」というサイトを作成し、[現在の値にする]をOK。
新たにサイト(外構)を作る
(3) 表示/グラフィックスで外構カテゴリの「プロジェクト基準点」と「測量点」を表示
(4) プロジェクト基点を選択し、青い文字の「真北の角度」をクリックし、「0」とする。
真北の角度を0にする。
(5) 測量点(△)を原点に指定したい位置に移動します。このときクリップマークはクリップしたままにしておきます。(赤い斜線が入っていない状態)N/S、E/W、高さの値がすべて0になっていることを確認します。
クリップをオンにしたまま原点にしたい位置に移動
(6) [R]-[書き出し]-[CAD形式]-[DWG]
(7) 「DWGを書き出す」ダイアログボックスで、[書き出し設定を選択]の[…]を押す。
書き出し設定
(8) [単位と座標系]タブを選択し、座標系の基準を「共有」にする。
座標系の基準を「共有」にする
この設定でDWGに書き出すと、測量点が出力したDWGの原点になります。
UCSICONを原点に表示しているところ。測量点が原点になる

Z座標

測量点を立面図などを使って上下に移動すれば、Z座標の0の位置も設定できます。今度はNavisWorksに出力してみます。

まず、Revitで適当に壁を作成します。
適当に壁を作成
測量点を移動します。
原点を任意の位置に移動
立面図を開いてさらに測量点を移動します。
測量点を上に移動

[R]-[書き出し]-[NWC]で、[NavisWorks設定]をクリック
NavisWorks設定
「座標」を「共有」に設定します。dd
座標を共有に設定
出力して、NavisWorksで出力したNWCを開いて、測定ツールで座標を確かめます。
Revitの測量点の位置が原点になっている
測量点の位置が原点(0,0,0)になっています。

まとめ


外部に出力するとき、任意の位置を原点にするには

(1) 真北が回転している場合は出力用のサイト(外構)を作成して現在に設定する。
(2) 測量点をクリップしたまま任意の位置に移動する。
(3) 出力時の座標は「共有」を選択する。

となります。