2016年10月23日日曜日

コメントの活用

注釈に文字を使わないことのススメ

Revitで図面を作成するとき、つい2D図面と同じように「文字」で注釈をいろいろ書き込んでしまいがちですが、「文字」はあまりRevit的ではありません。Revitの本質は建築データベースですから、

  • プロパティに値を設定して、タグで引き出す

のが本来のあり方です。そうすると、図面の作成時に意外と便利です。百聞は一見に如かず。まずはやってみましょう。

インスタンスパラメータ 「コメント」

Revitのほとんどすべての要素のインスタンスパラメータに「コメント」というプロパティがあります。しかしカテゴリ別にタグを用意するのは面倒です。こんなとき役に立つのが「マルチカテゴリタグ」です。 カテゴリにとらわれず、なんにでもタグを作成できます。

(1) [R]-[新規作成]-[ファミリ]で[注釈]-[マルチカテゴリ タグ(メートル単位).rft]
(2) [作成]-[文字]-[ラベル]で、参照面の交点のあたりをクリック。

カテゴリパラメータに使用可能なパラメータ名が並んでいます。
マルチカテゴリタグに使用可能なパラメータ
これらのパラメータはほとんどがタイプパラメータですが、これらのうち

  • コメント
  • マーク

はインスタンスパラメータです。個々の要素に対する注釈は「コメントタイプに対するコメントは「タイプの説明を使うとよいでしょう。

(3) 「コメント」を選択し、[→]で追加しOK。
(4) 追加したラベルを選択し、[タイプを編集]して、文字の大きさやフォントを設定しOK。
文字の大きさやフォントを設定
(5) 「マルチカテゴリ_コメント.rfa」として保存。

プロジェクトで利用する

出来上がったタグをプロジェクトにロードして利用してみます。

(1) [注釈]-[タグ]-[マルチカテゴリ]
(2) タイプセレクタで「マルチカテゴリ_コメント」が選択されていることを確認
(3) コメントをつけたい要素を選択しタグの位置を調整。
マルチカテゴリタグを追加
(4) ?をクリックし、コメントを入力
コメントのプロパティが設定される
インプレイスで入力したコメントの値は、要素のインスタンスプロパティに反映されます。

プロパティ+タグで注釈を作成するメリット

文字ではなくプロパティとタグで注釈を表示する習慣をつけておけば、要素自体に情報がどんどん蓄積され、建築データベースとしての価値が高まります。またあの図面とこの図面で使っている用語が異なるというようなミスも防げます。
例えば、下の図は1階の平面図の庇にタグで注釈をつけています。
平面図で庇に「コメント」
こうしておけば立面図にも同じ用語で注釈を作成できます。
立面図にもタグを作成
同じような図面(実施平面図と申請関連などの各種届け出用の図面など)を目的に応じて複数作成する、ということは実際の業務において多々発生することです。このとき、ビューを詳細を含めて複製するするのですが、文字では変更に対処するとき手間が発生しエラーも起こしがちです。

図面の注釈には、文字はできるだけ使わずに、プロパティ+マルチカテゴリタグを利用するようにしてみてはいかがでしょうか?
3Dビューにもタグが作成できます。