2013年7月13日土曜日

平面図の描画システム(6)

ビューの奥行きとは何か?

ビュー範囲の一番下に「ビューの奥行」という項目があります。ビューの奥行とは、メイン範囲を超えて、さらに下のほうまで描画したい場合に指定します。たとえば
ビュー範囲
という設定を断面図で表すと下の図のようになります。

このオレンジ色で示した部分が「ビューの奥行」です。
ここで疑問なのは

「だったらメイン範囲の下を設計GLに設定すればいいじゃないか」

ということです。メイン範囲の「上」同様、ナゾの範囲です。しかし、メイン範囲とビューの奥行には明確な違いがあります。

なんでも<背景>

メイン範囲の要素はオブジェクトスタイルで設定した線種や線の太さ、塗り潰しパターンを基準にし、さらにビューや要素でさまざまな上書きがされて平面図として描画されます。ところが、ビューの奥行まで(上図のオレンジ色の範囲)に存在する要素は、常に<背景>という線種で描画されます。線種<背景>を確認してみましょう。[管理タブ]-[その他の設定]-[線種]で線種ダイアログボックスを開きます。
<背景>の設定に注目
この設定で平面図をみるとこのようになります。
1階平面図に外構が青色で表示される

1FL~設計GLの範囲の要素の見え掛りがすべて<背景>の線種、青の実線で表示されています。

<背景>線種を上書きしてみる

ビューの奥行の仕組みを理解すれば、2階の平面図に外構の様子を表示するなど、様々な表現が可能です。
また、ビューごとに<背景>の線種を上書きすれば、ビューごとに様々な表現が可能になります。[表示]タブ-[グラフィック]パネル-[表示/グラフィックス]を選択し、[モデルカテゴリ]タブの[線分]を展開し、<背景>を上書きします。
線分<背景>を上書きする。
すると設定したビューのみが次のようになります。
背景の表現をビューごとに上書きできる。
「ビューの奥行」を活用すれば、複数のレベルにある要素を一つのビューに様々な表現で表示することが可能になります。