2019年4月21日日曜日

新しいマテリアル

黄色い三角マーク付きのマテリアル

v2019以来、Revitのレンダリングエンジンに最適化された新しい外観アセットが導入されました。マテリアルブラウザでサムネイルの左下に黄色い三角がついているものがありますが、これは旧バージョンの外観アセットが使用されているマテリアルであることを意味しています。
黄色い!は旧バージョンの外観アセットを使用しているマテリアル
新しいアセットを使用しているマテリアルにはこの黄色い三角がついていません。
新しい外観アセット
この違いはヘルプにも書かれていますが、「Autodesk レンダリング エンジンに最適化されて」います。
新しい外観アセットを使ってリアリスティック表示

ベースとなるアセットは?

旧バージョン同様に、新しい外観アセットもユーザーが自分自由にカスタマイズすることができます。旧バージョンの外観アセットには14のベースアセットがありました。

  1. マテリアルディタを開いて、外観タブを選択
  2. 一番上のグレーの帯の右端から2番目の[このアセットを置き換えます]をクリックしてアセットブラウザを開きます。
  3. [外観ライブラリ]>[規定]を選択。

これが旧バージョンの14の「ベースアセット」です。
外観ライブラリ>既定 には旧バージョンのベースアセット14個がある
一方新しいバージョンのベースマテリアルは4つです。探し方は


    1. 検索窓に「ベース」と入力しENTER
      新しいアセットのベースは4種類
    ベースマテリアルはシンプルになり、これらを複製してオリジナルの外観アセットを作成します。
    なお新しいマテリアルでは、旧バージョンでサポートされていたプロシージャマッピングがサポートされなくなりましたのでご注意ください。
    旧バージョンでサポートされていたプロシージャマップ
    新バージョンではプロシージャマップはサポートされない

    ベースマテリアルのエディタはそれぞれ次の通りです。

    ベースマテリアル - 透明

    ベースマテリアル - 透明

    ベースマテリアル - 不透明
    ベースマテリアル - 不透明
    ベースマテリアル - 積層
    ベースマテリアル - 積層
    ベースマテリアル - メタル
    ベースマテリアル - メタル

    今後とも旧バージョンはサポートされますが、確かに新バージョンのほうがレンダリングの見栄えはいいし、お手持ちのマテリアルはできるだけ早く新バージョンに移行しておいたほうが無難です。

    2019年4月14日日曜日

    照度計算

    Revitの照度計算

    Revitには照度計算の機能があり、この計算方法はヘルプに記載されています。
    照度の計算
    これは一般的に設備設計が用いている「光束法」とは異なりますが、意匠設計者が照度をチェックするには十分ですし、結果は光束法と大きな差はありません。実際にやってみましょう。

    適切な照度とは

    まずは適切な照度を知り、目標を設定する必要があります。これはJIS規格があります。

    JIS照度基準
    こちらのほうがわかりやすいかもしれません。

    例えば、事務所であれば、750ルクスを目標にすればよいでしょう。

    準備

    では750ルクスを目標に、下の図にある11m×20mの事務所にLEDライトを配置していきましょう。
    練習用のファイルはこちらからダウンロードしてください。
    V2019
    まずは、電気のテンプレートで新規にプロジェクトを作成して、プロジェクト基点合わせで意匠データをリンクして始めます。

    1. [ファイル]>[新規作成]>[プロジェクト]
    2. [参照]ボタンを押す。
    3. Electrical-DefaultJPNJPN.rte を選択し[開く]。
    4. OKでプロジェクトを作成。
    5. [挿入]タブ>[リンク]パネル>[Revitリンク]
    6. 配置を自動-基準点合わせとし、ダウンロードした「照度計算モデル.rvt」を選択し開く。
    7. 挿入されたリンクを選択し、[タイプを編集]
    8. [部屋境界]に✔してOK。
    9. [解析]タブ>[スペースおよびゾーン]パネル>[スペース]で、部屋の中央をクリックしてスペースを配置する。
      スペースを配置

    反射率の設定

    スペースには床壁天井の反射率のプロパティがあります。
    こちらの中ほどの「反射率の設定」によると「反射率とはその部屋の天井・壁・床がどれだけ光を反射するかを示すもので、白色は反射率が高く、黒色に近づくと低下する傾向にある」とあります。また”仕上材を指定しない場合の事務室では「天井70%・壁50%・床10%」で計算するのが原則とされている。”とありますので、スペースの反射率プロパティを下の図のように設定します。
    スペースのプロパティ
    また[照明の計算 作業面]の値をデスクの上とみて800に設定します。

    照明器具とランプの設定

    まずは一台配置

    次に配置する照明器具を設定します。一般的な埋め込みスクエア型のLEDライトを複数個配置します。

    1. 天井伏図を開く
    2. [設備]タブ>[電気]パネル>[照明器具]
    3. [モード]パネル>[ファミリをロード]
    4. [照明]>[MEP]>[内部]>一般照明蛍光灯 - FHF32x2.rfaを選択。
    5. [モード]パネル>[面に配置]で天井面をクリックして一つだけ配置
    6. 配置した照明器具を選択して[タイプを編集]
    ここでタイププロパティ編集ダイアログボックスの「フォトメトリック」のところを表示してください。
    フォトメトリックグループ

    保守率の設定

    保守率とは光源の働程(経時変化)や光源や器具のほこり等の埋積などによる汚れにより光束が減少するため、これを補う目的であらかじめ見込んでおく係数のことです。
    しかし難しいことを知る必要はありません。ちゃんと照明学会が指針を出してくれていて、こちらにその解説もあります。
    結局のところ、屋内で露出だったら「普通」の0.95を設定しておけばいいということです。
    1. 保守率のボタンをクリック。
    2. 方法で簡易を選択
    3. 値を0.95に設定しOK
      保守率を0.95に設定

    光束

    次にこの照明器具が持つ照度(ルーメン)を設定します。この器具には2灯のLEDライトがあります。
    たとえばこれは東芝ライテックの製品だと仮定します。そうするとHf32定格出力タイプだと5030lmとなります。
    5030 lm !
    1. 初期強度のボタンをクリック。
    2. 光束を選択して値を5030。
      光束を5030に
    3. OK

    色温度

    色温度を5000Kに設定します。
    1. 初期の色のボタンをクリック。
    2. プリセット色からD50 基準の白を選択。
      色温度を5000K
    3. OK。

    照明率

    照明率を求めるには「室指数」と「床壁天井の反射率」の値が必要です。配置したばかりの照明率のプロパティの値は空欄になっています。
    照明率は空欄だが…

    室空間係数と室指数

    スペースのインスタンスプロパティには、室空間係数(RCR)が表示されています。
    室空間係数
    これはアメリカの基準のIES(Illuminating Engineering Society of North America)による値です。日本では室指数(Kr)という値が用いられておりその関係式は

    RCR=5/Kr ---->Kr=5/RCR

    となります。(出典はこちら)この室指数は照明の「照明率」を計算するために必要です。
    この図の場合、室指数は5/1.277192≒3.91となります。機器ごとの配光データシートを表示し天井・壁・床の反射率と室指数の値から、照明率を求めます。
    反射率は天井70%壁50%床10%、室指数は4.00(≒3.91)で照明率は84×0.01=0.84
    この表から、照明率を0.84と求めて、照明器具のインスタンスパラメータの照明率に設定します。
    照明率の設定

    部屋の照度

    ここでスペースのインスタンスプロパティを確認します。
    平均推定照度が計算された!
    目標の750Lxを目指して、照明を複写して配置します。48台の照明を配置してみたところ平均推定照度が894.59lxとなりました。
    48台追加すると・・
    平均推定照度は894.59lxに

    光束法とどれだけ異なるのか?

    光束法を用いて平均照度を計算してみます。光束法の計算式は

    E = F × N × U × M / A
    F:ランプ光束、N:ランプ本数、U:照明率、M:保守率、A : 部屋面積

    ですので、この場合は

    E=5030×48×0.84×0.95/215.373=894.5834436071374(Lx)

    となり、ほぼ同じ結果となります。

    また、適切な器具数がいくつかを計算するならば、目標が750Lxですから

    N=E × A / F × U × M =750 × 215.373 / 5030 × 0.84 × 0.95 = 40.24

    となりだいたい40台前後の器具が必要であることがわかります。

    2019年4月7日日曜日

    モデルを地盤面へ変換

    モデルの表面を地盤面にする

    地形はメッシュモデルなので「ポイントを操る」技術が必要となり、なかなか厄介です。そんなときは、マスやインプレイスファミリなどを作成して、その表面を地形にするという手があります。
    マスの面から地盤面を作成した例

    サイトデザイナーを設定する

    この機能はサイトデザイナー2019に実装されています。サイトデザイナーはRevitユーザーならばフリーでダウンロードできるオートデスク製のアドオンアプリです。

    入手方法


    1. オートデスクデスクトップアプリを起動
      デスクトップまたはタスクトレイからも起動できます。
    2. 一番下までスクロールして、[使用可能なすべての・・・・]をクリック。
      一番下のリンクをクリック
    3. [製品の更新]をクリックし、リストの中から[Revit Site Designer Extension 2019]を選択しインストーラをダウンロードします。
      [製品の更新]>[Revit Site Designer Extension 2019]
    4. インストーラを起動してSite Designerを設定します。
      Site Designer タブが追加される

    マスから地盤面

    まずインプレイスマスから地盤面を作成してみます。任意の形状のマスを作成します。
    インプレイスマスを作成
    [Site Designer]タブ>[Convert]パネル>[Toposurface Conversion]
    Toposurface Conversion

    [Toposurface Name] に地盤面の名前を、[Phase Crated]に適切なフェーズを設定して、[Pick]をクリック。
    名前とフェーズを設定して[Pick]
    マスを選択して[Convert]
    [Pick]→マスを選択→[Convert]
    地盤面が作成されます。
    マスを非表示にして地盤面にマテリアルを割り当てたところ

    [表示/グラフィックス]で地盤面のサブカテゴリ「三角形分割エッジ」をONにすると巧みに面が作成されていることがわかります。
    三角形分割エッジをON
    この機能はマスだけではなく、普通のインプレイスマスや、他のソフトで作成して取り込んだ形状も同じように利用することができます。
    インプレイスモデルから作成


    2019年3月31日日曜日

    座標系

    原点を表示してみる

    Revitを操作しているうちは、座標を気にすることはまずありません。しかし座標は存在しています。ダイナモを使って原点を表示してみます。

    1. Revitで建築テンプレートを使って新規プロジェクトを作成。
    2. [管理]タブ>[ビジュアルプログラミング]パネル>[Dynamo]でダイナモを起動。
    3. 新規作成
    4. [Geometry]>[Points]>[Point]>[Origin]でPoint.Originを追加します。
      ダイナモを使って原点を探る
    5. Revitに戻り、[平面図]>[設計GL」を表示。
    6. これで画面上に青い点が表示されます。これがOrigin=(0,0,0)を示しています。
    原点に「・」が表示される。
    この原点はRevit Modeling Plateの中心に固定されていて、プロジェクトの北がY方向です。RMP全体はプロジェクトの移動により移動できますが、この原点をRMP上の任意の点に移動することはできません。

    プロジェクト基準点と測量点

    前回書いたプロジェクト基準点と測量点、クリップする、しないについて具体的に見ていきましょう。前回の地球とRMPの絵を思い出しながら、実行してみてください。

    練習用のファイルを準備しましたので、ここからダウンロードして開いてください。設計GLのレベルに1000mmピッチで方眼がモデル線分で書かれています。

    測量点とクリップ

    1. 原点に測量点とプロジェクト基準点が重なって配置されているので、測量点を選択する(マウスオーバーして何度かTABキーを打てば選択できます。)このとき、表示される座標は下の図のように0,0,0です。
      測量点の値に注目
    2. クリップした状態で、[修正]>[移動]で(-6000,-5000,0)の位置に移動します。すると、座標の値はやはり0,0,0です。前回の説明にあるように、測量点は地球座標系上にあり、クリップ先は「測量原点」です。クリップを解除しないまま移動したため、測量原点が地球上を移動したのです。
      測量原点が移動した
      この状態が前回の下の絵になります。
      測量原点の移動
    3. 次にクリップアイコンをクリックし、赤い線が付いた(クリップした)状態にして、(2000,2000,0)に移動します。すると、N/S(Y)=7000、E/W(X)=8000となり、測量原点からの距離を表示します。
      クリップしていないので、測量原点は元の位置のまま。
      これはこの絵に相当します。
      測量基準点は移動しない。
    4. クリップを解除したまま、N/S、E/Wの数字をクリックして0にすると元の位置に戻ります。

    プロジェクト基準点とクリップ

    1. プロジェクト基準点を選択します。このとき表される数字は測量点からの距離です。
      プロジェクト基準点には測量点からの距離が示される
    2. プロジェクト基準点を、クリップをしたまま右へ3000移動します。これはプロジェクトの移動と同じであり、RMPを地球上で右(東)へ3000移動したことになります。
      プロジェクト基準点を右(東)に3000移動
    3. このとき、測量点は地球座標上にあるので移動しません。一方、方眼のモデル線分はRMP上に乗っているので、全体的に移動します。プロジェクト基準点の値は測量点からの距離なので、E/Wの値は9000になります。
      測量点は移動しない
      すなわちこれが「プロジェクトの移動」です。
      プロジェクトの移動
    4. 次にプロジェクト基準点のクリップを外して、(-4000,-2000)の域に移動します。プロジェクト基準点のクリップ=RMPへのクリップです。クリップが外れた状態だと、RMPの中心(原点)は地球上を移動しません。
      クリップを外すと、RMPは地球上を移動しない。
      クリップを外すとプロジェクト基準点は上を移動します。
      RMP上を移動する
    5. N/S、E/Wの数値をクリックして0にすると、測量点とプロジェクト基準点が一致します。
      測量点とプロジェクト基準点が一致
    6. プロジェクト基準点が選択された状態で右クリックし、[開始位置に移動]を選択すると、プロジェクト基準点はRMPの中心(つまり原点)に戻ります。
      開始位置に移動でRMPの原点に戻る

    真北の回転

    1. 測量点を選択し、クリップされている(赤い線がついていない)ことを確認します。同様にプロジェクト基準点を選択し、クリップされていることを確認します。
    2. プロジェクト基準点を選択し、[真北の角度]の値を30にします。ENTERした瞬間に測量点が移動することに注目してください。
      真北の角度を変えるとクリップした測量点は移動する。
    測量点は地球座標に乗っているので、真北が回転したため移動したのです。前回下の図のように、RMPと地球の関係を説明しましたが、
    RMPが回転するのではなく・・・
    UI上ではプロジェクトの北が常に画面の上を向いているため、地球側が回転します。したがって測量点が移動することになります。
    画面上はRMP固定で地球が回転
    測量点はいわゆる「ベンチマーク」なので、いったん位置が確定したら、ピンでとめるなど、不用意に動かさないようにしたほうがよいでしょう。
    また、測量点はRMP上にあること、つまり原点から半径10マイル以内においておくことが望ましいと言えます。